きみと同じ歳のころ

いつも眠たい人が書いた文章置き場

被膜

色鉛筆。二十四色の色鉛筆セットを持っている同級生がうらやましかった。私はずっと十二色の色鉛筆を使っていた。二十四色の色鉛筆セットを持っている同級生は色の順番をそろえずにバラバラにしまっていたので、その子の了承を得て二十四本の色鉛筆を順番に並べてしまうのが楽しかった。
絵の具。何の考えもなしに図工の時間に黄色と青の絵の具を混ぜて黄緑色を作った日は胸が逸った。そんな色を作れるのを幼い私は知らなかった。それは多分小学三年生くらいのこと。一番好きだったのは青の絵の具に銀色の絵の具を混ぜて作ったきらきらの青色。それで空を塗るのが楽しかった。
クレヨン。大人になれば、クレヨンに触らなくなれば、ねずみ色はグレーに、黄土色はおおよそベージュという風に名前が変わった。使わない色だったからいつも一番長いまま箱にしまわれていた。
小学二年生。遠足の思い出の絵で白い服を着た人物を描いたとき、服の色を塗らずに画用紙の白色のまま提出したら、先生に「白色も塗りなさい」と注意されたことがある。納得できないまま当時の私は白色の画用紙に白色のクレヨンを塗りたくった。いまならなんとなく怒られた理由が分かる気がする。

うつくしい思い出は大抵ひかりの色をしている。