きみと同じ歳のころ

いつも眠たい人が書いた文章置き場

付箋

郷愁は知らないが郷愁めいたものを感じることがある。私はその場にいなかったのに、その景色を知っている、みたいな。そのときのひかりの量を知っている。空気のにおいを知っている。地面を蹴った足音を知っている。緑の濃さを知っている。影の長さを知っている。息が詰まるような苦しさを知っている。そこにいるのはいつだって私ひとりだけだ。永遠と追いかけている。想像の景色と現実の自分を重ね合せようとすることをやめられない。